日本に居座った男2017年10月19日

朝日新聞に、こんな記事(2017年10月18日11時04分「母子家庭に居座った男が3歳児を虐待死させた『理屈』」)があった。

身長は190センチを超え、体重約130キロ。格闘技や空手の経験もある男から母の面前で約30分にわたり暴行を受け、3歳の男児が命を落とした。男は母子の家に2週間前から居座っていた。なぜ、こんな悲劇が起きたのか。

(略)

被告「スプーンの持ち方や食事の仕方を教えてあげようと思いました。幼稚園に行ったらみんなに笑われるから。自分が小学生の時、母に箸の持ち方がなっていないと練習させられたので」

(略)

被告と計9回のやりとりをした鑑定人も法廷に立ち犯行に至った心理状況を、次のように読み解いた。

「しつけは好意でやったのに、母子ともに無視をしたと感じた。自分への屈辱ととらえた。居場所は不安定な上、邪魔者扱いされ、孤立感が積もり、怒りを暴力で発散した」

鑑定人は被告を「馬鹿にされたと思うと感情的になり、衝動的な行動に出る可能性はあるが、暴力性の高い気質ではない」と分析し、「解釈」と断った上でこうも表現した。「自分が食事を作ったので礼をするのは当然、感謝の気持ちを表して欲しいという気持ちがあったのではないか」

国会で、自ら野次を飛ばしていながら、自分の発言中に野次を飛ばされると「発言中に野次を飛ばすのは失礼だ」と言わんばかりに怒り、演説中に野次られると「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫ぶ安倍首相。

拉致問題は最優先課題だとし、選挙戦もあって殊更に北朝鮮の脅威を強調するが、政治家の本分である外交努力はどれ程したのだろう。2001年から始まった小泉政権は翌02年に訪朝し、一部とはいえ、拉致被害者の帰国を実現させた。安倍政権は13年に始まり、すでに5年間になろうとしているが、圧力一辺倒で、拉致問題のみならず、北朝鮮のミサイルや核兵器の開発進展を許している。地球を俯瞰する外交どころか、偏狭な自らの国家観、歴史観の故に数千年来の交流がある隣国との関係さえ修復できない安倍首相。

母子家庭に居座った男の「論理」が重なって見える。反論されると直ぐにキレるのは、「日本を守り抜く」と言っているのだから支持されて当たり前だと思っているからだろうか。その日本を危うくさせているのは自分ではないのか。守り抜くという日本は、国民が願っている日本なのか。

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