何が問題なのか2017年11月12日

朝日新聞の記事(2017年11月12日05時00分「(時時刻刻)太平洋経済圏、米国の影 TPP・APEC」)によると、カナダのトルドー首相は、共同議長国の安倍首相との会談の中で、TPPの大筋合意案に同意しない旨、述べたという。

前日深夜まで続いた閣僚会合。11カ国での大筋合意を確認する大詰めの局面で、カナダのシャンパーニュ国際貿易相は真っ先に手を挙げ、合意案への支持を表明していた。ところが、安倍氏に向き合ったトルドー氏は「合意はできない」と繰り返した。

「何が問題なのか言ってくれ」。安倍氏が促しても「我々が目指す世界と違う」「TPPはそもそも問題が多い」と繰り返した。20分間の予定だった会談は約1時間続き、日本の交渉チームには一時、諦めの色も見えた。「残念だが仕方がない」。ある交渉筋は関係者に電話で告げた。

安倍首相は周辺に忖度させるのは得意でも、他者を忖度するのは苦手のようだ。外交の場で、率直に問題点を指摘し話し合うこともあるだろうが、それぞれが国内事情を抱えているのだから、大方は、「腹の探り合い」だろう。「何が問題なのか言ってくれ」という発言は、外交能力の欠如を表していると考えるべきだろう。

大昔のドラマに、こんな場面があった。自宅で塾を開いてい男。部屋には生徒が一人。生徒にいろいろと教えるのだが、生徒の反応は鈍い。男は言う。「どこがわからないのか言いなさい」。結局、埒があかず、生徒を帰す。その様子を聞いていた男の妻が呟く。「わからないところを見つけるのも教師の仕事でしょ」。