軽佻浮薄2017年07月31日

北朝鮮の弾道弾発射に対して、安倍首相は「国際社会の強い抗議と警告を無視して、北朝鮮がまたも弾道ミサイルの発射を強行し、わが国のEEZ=排他的経済水域内に着弾させた。先般のICBM級ミサイルの発射に続いて、わが国の安全に対する脅威が、重大かつ現実のものとなったことを明確に示すものだ」(朝日新聞)と述べたそうだ。

しかし、北朝鮮が長距離弾道弾を発射すると、何故日本の脅威が重大になるのだろう。北朝鮮から日本まではおよそ1000キロだから、その範囲を標的とする短距離弾道弾の方が脅威のはずだ。実際、今回の弾道弾発射では着弾まで45分程度掛かっているが、短距離弾道弾であれば数分で着弾するのだから、こちらの方が余程脅威である。米国が騒いでいるのは米本土に到達する可能性が現実的になったからであり、米国にとって脅威が「重大かつ現実のもの」となったのであって、日本をおもんばかってのことではない。

それにつけても、毎回毎回、判で押したように同じ発表を繰り返しているだけの外交とは一体何なのだろう。「国民の安全確保に万全を期していく」そうだが、その言葉の何と空しく響くことか。

軽いと言えば、2015年だったか、中東訪問時の演説で過激派を名指しし、その結果か、過激派から日本を標的にすると逆指名されたことがあった。また昨年は、国会において、従軍慰安婦にお詫びの手紙を出してはどうかという提案に対して「毛頭考えていない」とにべもない答弁をして、韓国国民の神経を逆なでしたことがあった。

安倍首相は外交で成果を挙げているように振る舞うことで批判を忘れさせる手を使うが、実態は、外国要人とのツーショットに収まるだけのミーハー外交であり、その軽佻浮薄な発言で、懸案を解決するどころか、むしろ悪化させている。

経済も、外交も、社会制度も、構造改革も、どれもこれも軽佻浮薄。安倍首相にとって、国防軍創設の改憲だけが最優先課題なのだろう。

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