ゴキブリと津波2018年06月30日

朝日新聞の記事(2018年6月29日21時10分「給食にゴキブリの死骸、調理中に混入か 他校に知らせず」)に、

センターは第四中を含む中学校5校に計2200食を同じ献立で提供していたが、他校には混入を伝えなかった。「混入場所が特定できなかったため」という。

とあった。

また、NHKの記事(「詳報 東電刑事裁判 『原発事故の真相は』第5回公判」)には、

福島第一原発の事故をめぐり東京電力の元副社長ら3人が強制的に起訴された裁判で、東京電力の津波対策の担当者が証人として呼ばれました。担当者は、巨大な津波が来るという想定を事故の3年前に報告したものの、元副社長から、さらに時間をかけて検討するという方針を告げられ、「予想外で力が抜けた」と証言しました。

とある。

いずれも、万が一を想定して対処あるいは対策を行うという安全に関する基本的な姿勢が欠けている。給食にゴキブリが混入しており「混入場所が特定できなかった」のなら、万一の場合を考えて他校にも連絡しすべての給食を回収すべきだろう。実際、食品メーカーであれば、同時期に製造した製品をすべて回収するのが通例だ。原子力発電所の設計・運転においても、巨大津波の可能性が指摘されたのなら、万一の場合を考えて運転を止めるべきである。「時間をかけて検討する」のは、その後のことだろう。また、非常用の発電機を浸水しうる高さに設置するなどということも安全確保の原則を無視した稚拙な設計である。設計時の想定より高い津波の可能性が指摘されたのなら、まず運転を止める。次に、想定される津波でも浸水しない高さに非常用電源設備を増設するべきである。堤防の嵩上げなどより遥かに安価かつ短時間で対策可能だろう。その上で大津波の可能性について検討すればよい。

人命喪失あるいは重大な事故の可能性のある業務を担う企業のトップあるいは責任者が、確定的ではないから何もしなかったというのは、それだけですでに職務怠慢である。

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